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社員紹介制度の報奨金は違法?就業規則での決め方と税金・社会保険|介護施設のリファラル採用

介護施設では、職員に友人や知人を紹介してもらう採用(社員紹介制度・リファラル採用)が広く行われています。紹介で採用できたときに、紹介してくれた職員へ報奨金を払いたいと考える施設も多いはずです。ただ、採用の紹介にお金を払うことには職業安定法の決まりがあり、払う相手や払い方を間違えると違法になることがあります。

この記事の結論

  • 職員に紹介の報奨金を払うこと自体は違法ではありません。職業安定法 第40条は職員に払えるものを賃金・給料などに限っているので、報奨金が賃金にあたることをはっきりさせるために、就業規則や賃金規程に支給の条件を決めて、手当として払うのが基本です。
  • 決まりのないまま、その都度お礼の現金や商品券を渡すのは避けます(賃金にあたらず、第40条が禁じる報酬と見られるおそれがあります)。
  • 職員以外(知人・元職員・利用者のご家族など)にお礼を約束して、応募する人を探して勧めてもらうのは「委託募集」にあたると考えられ、厚生労働大臣または都道府県労働局長の許可と、報酬額の認可が要ります(第36条)。
  • 報奨金は給与として源泉徴収します。社会保険(報酬・賞与)にあたるかは、紹介の報奨金について示した公式の資料が見当たらないため、年金事務所に確かめておきます。

以下では、介護の採用で紹介がどのくらい使われているか、職員に払うときと職員以外に払うときのルールの違い、就業規則への定め方と在籍の条件の付け方、税金と社会保険の扱い、制度を動かすときの注意点を、法令と厚生労働省・国税庁・日本年金機構の資料をもとに整理します。制度の情報は2026年11月5日時点のものです。

介護施設では「職員の知人の紹介」が主な採用の経路の一つ

介護労働安定センターの「令和7年度 介護労働実態調査」で、介護事業所に行っている採用活動を聞いたところ、「職員に対して友人・知人などの紹介を依頼」が66.0%で最も多く、ハローワークや福祉人材センターへの相談(64.8%)を上回りました。行っている事業所のうち47.3%が、採用に効果があったと答えています(行っている事業所の中で効果があったと答えた割合が最も高かったのは、有料職業紹介所の利用で53.4%)。回答したすべての事業所のうち「採用に効果があった」と答えた割合でも、職員への紹介の依頼が31.3%で最も高くなっています(いずれも事業所の割合)。

出典:介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査 結果報告書」図表11-1-1・図表11-2-1・図表11-2-2 報告書を見る

働く人の側から見ても、同じ調査で介護の仕事をしている方に今の法人に就職した主な経路を聞いたところ、「友人・知人からの紹介」が33.8%で最も多くなっています(介護労働者の割合)。

出典:介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書」図表13-1-1 報告書を見る

厚生労働省の「雇用動向調査」でも、2025年に「社会保険・社会福祉・介護事業」に入職した人のうち、入職経路が「縁故」だった人は24.4%で、全産業(21.4%)より高くなっています(入職した人の割合)。

※「社会保険・社会福祉・介護事業」には、保育や障害福祉などの事業所も含まれます。「縁故」は統計表の区分の名前で、内訳に「うち前の会社」があります。割合は統計表の実数から計算しています。

出典:厚生労働省「令和7年 雇用動向調査」第16表(産業別・入職経路別入職者数) 統計表を見る

払う相手が「職員」か「職員以外」かで、ルールが変わる

施設が職員に頼んで知人に応募を勧めてもらうことは、法律上は施設が行う「労働者の募集」にあたります。職業安定法は、労働者の募集を「労働者を雇用しようとする者が、自ら又は他人に委託して、労働者となろうとする者に対し、その被用者となることを勧誘すること」と定めています。

厚生労働省の「募集・求人業務取扱要領」では、施設(募集主)の職員が施設の指示で施設のために働きかけて応募を勧めることは「直接募集」とされ、原則として自由に行うことができます。一方、施設の職員以外の人に募集をしてもらうことは「委託募集」とされ、許可か届出が必要です。ここでいう職員(被用者)とは、施設と雇用関係にある人のことで、正職員に限らず、パートやアルバイトも含まれます。

頼む相手お礼の払い方・手続き
施設の職員賃金(手当)として払う
条件は規程に定めるのが基本
職員以外
(お礼あり)
募集の許可と報酬額の認可
職員以外
(お礼なし)
募集の届出

※職員以外の行は、施設の依頼で応募する人を探して勧めてもらう場合です。どこまでが「募集をしてもらう」ことにあたるか迷うときは、都道府県労働局に相談してください。

職員に払う報酬は職業安定法 第40条、職員以外に募集をしてもらう場合は第36条に決まりがあります。施設と雇用関係のない人は、職員以外にあたります。知人や元職員、利用者のご家族、取引先のほか、派遣会社から来ている派遣スタッフや業務委託で働いている人も、施設が雇っていないので職員以外にあたると考えられます。同じグループでも別の法人の職員は、採用する法人の職員ではありません(要領でも、グループ内の別の法人の委託を受けて募集を行う場合は委託募集にあたるとされています)。

出典:職業安定法 第4条第5項・第36条・第40条/厚生労働省「募集・求人業務取扱要領」(令和7年6月)Ⅰの2・3、Ⅱの1、Ⅲの1 職業安定法を見る 要領を見る

職員への報奨金は違法?職業安定法 第40条のルール

職業安定法 第40条(報酬の供与の禁止)
労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第三十六条第二項の認可に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。

募集に関わる職員に払えるのは、賃金・給料などに限られます。裏を返すと、紹介の報奨金を賃金にあたるものとして払えば、この条文には反しません。

厚生労働省の資料は、この規制の理由を、募集に従事する人への報酬は応募した人の数に比例して払われることが多く、応募者を増やそうとうまい話で誘う(甘言を弄する)などの弊害が生じやすいため、賃金等以外の報酬の支払いを禁止している、と説明しています。

違反すると、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象です(第65条第6号)。施設長などの従業者が法人の業務として違反したときは、行った人のほか、法人にも罰金が科されます(第67条)。要領も、募集主が募集従事者に「賃金、給料その他これに準ずるもの以外を与えた場合」を罰則の対象として挙げています。

出典:職業安定法 第40条・第65条第6号・第67条/厚生労働省「募集・求人業務取扱要領」(令和7年6月)Ⅳの1の(12)・Ⅵの4の(2)/厚生労働省「職業紹介事業以外の雇用仲介事業 その他の検討項目 現行の制度・運用 参考資料」(審議会資料) 職業安定法を見る 要領を見る 厚生労働省の資料を見る

「賃金として払う」とは:支給の条件を前もって決めておく

労働基準法は、賃金を「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの」と定めています(第11条)。そのうえで、労働基準法の施行時の通達は、結婚祝金や見舞金などの恩恵的な給付は原則として賃金とみなさないとしたうえで、恩恵的な給付であっても、労働協約・就業規則・労働契約などで前もって支給の条件が明確なものは賃金にあたるとしています。

つまり、紹介の報奨金を賃金として払うには、誰に・どんなときに・いくらを・いつ払うかを、前もって就業規則や賃金規程に決めておくことが基本になります。決まりがないまま、施設長の判断でその都度お礼を渡す形だと、賃金ではない報酬と見られるおそれがあります。厚生労働省のサイト内にある新潟雇用労働相談センターのコラムでも、紹介の報奨金を支給する制度では、就業規則や賃金規程に賃金(手当)として明確な基準を設け、明記する必要があると案内されています。

また、賃金は通貨で、全額を払うのが原則です(労働基準法 第24条)。報奨金を賃金として払う以上、商品券や品物ではなく、給与と同じ方法でお金で払います。

出典:労働基準法 第11条・第24条/厚生労働省「労働基準法の施行に関する件」(昭和22年9月13日 発基第17号)/新潟雇用労働相談センター「人材採用の方法『リファラル採用』について」(2024年8月21日) 労働基準法を見る 通達を見る コラムを見る

就業規則・賃金規程への定め方

常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作って労働基準監督署に届け出る義務があり、賃金の決め方や支払いの時期、臨時の賃金を定める場合はその内容を、就業規則に書くことになっています(労働基準法 第89条第2号・第4号)。紹介の報奨金を新しく作るときは、就業規則(賃金規程)を変更し、労働者の過半数で組織する労働組合(ない場合は過半数を代表する者)の意見を聴いたうえで(第90条)、届け出て、職員に周知します(第106条)。

就業規則の作成義務がない場合(常時10人未満)でも、上の通達のとおり、支給の条件が前もって明確になっていることが賃金にあたるかどうかの目安になります。規程を書面で作って、職員に示しておきましょう。

規程で決めておきたいのは、次のような項目です。

  • 対象になる職員(正職員だけか、パートも含むか)
  • 対象になる採用(職種や雇用形態。パートの採用も対象にするか)
  • 支給の条件(入職したとき、入職後〇か月在籍したとき、など)
  • 金額と支給日(どの月の給与と一緒に払うか)
  • 紹介の受け付け方(応募の前に施設へ届け出てもらう、など)
  • 重なったときの扱い(同じ人を複数の職員が紹介した、すでに求人サイトなどから応募していた、など)

規程の記載例(イメージ・紹介手当)
第〇条 職員の紹介により採用された者が、入職日から〇か月を経過した日に在籍している場合は、紹介した職員に紹介手当として〇〇円を支給する。
2 紹介手当は、前項の〇か月を経過した日の属する月の翌月の給与支給日に、給与とあわせて支給する。
3 対象とする職種・雇用形態、紹介の届出の方法、紹介した職員が支給日の前に退職した場合の取扱いその他この手当に関し必要な事項は、別に定める。

上はあくまでイメージです。対象の範囲や条件は施設の実情に合わせて決め、就業規則の変更の手続きをとってください。規程の文言は、顧問の社会保険労務士などの専門家に確認してください。報奨金の金額に法律の決まりはありません。金額の相場を示す公的な統計は、確認できた範囲では見当たりませんでした。

出典:労働基準法 第89条・第90条・第106条/厚生労働省「労働基準法の施行に関する件」(昭和22年9月13日 発基第17号) 労働基準法を見る 通達を見る

「入職後〇か月在籍したら」の条件を付けるとき

紹介された人がすぐに辞めてしまうことを考えて、「入職後〇か月在籍したら支給」という条件を付ける施設もあります。条件を付けること自体は施設が決められますが、次の点に気をつけます。

  • 条件は前もって規程に書いておく。紹介のあとで条件を付け足すと、職員とのトラブルのもとになります。
  • 条件を満たした報奨金は賃金なので、規程で決めた支給日に全額を払う(労働基準法 第24条)。施設の都合で支給を見送ったり、減らしたりすることはできません。
  • 紹介した職員が支給日までに退職した場合に払うかどうかも、前もって決めておく。

支給の条件の置き方に法律の決まりはありません。採用や一定期間の在籍を条件にする形は、紹介する職員が無理に勧誘する動機を弱めるので、職業安定法の規制の理由とされた弊害(うまい話で誘うこと)を避けやすい運用といえます。

職員以外に紹介のお礼を払うときは、許可が必要(委託募集)

職業安定法 第36条は、労働者を雇用しようとする者が、職員以外の人に報酬を与えて労働者の募集をさせようとするときは、厚生労働大臣の許可を受けなければならず、報酬の額もあらかじめ認可を受けなければならない、と定めています。報酬を与えずに募集をしてもらう場合も、届出が必要です。

このため、利用者のご家族や取引先、元職員などに「紹介してくれたらお礼をします」と約束して応募する人を探してもらうことは、委託募集にあたり、許可と報酬額の認可が要ると考えられます。要領によると、手続きは次のとおりです。

  • 申請先:募集する事業所の所在地を管轄する都道府県労働局。県外から募集し、1つの都道府県から30人以上、または合計100人以上を募集する場合は厚生労働大臣、それ以外は都道府県労働局長の許可
  • 申請の期限:都道府県労働局長の許可の場合は、募集を始める月の14日前まで(厚生労働大臣の許可の場合は21日前まで)
  • 報酬の額:採用した人に支払われた賃金額の100分の50(1年を超えて雇用される場合は1年間の賃金額の100分の50)を超えるときは、特段の事情がない限り認可されない
  • 募集の期間:1年を超えないこと

許可を受けずに報酬を払って委託募集を行うと、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です(第64条第7号)。認可を受けずに報酬を払うことや、届出をしないで募集をしてもらうことにも罰則があります(第65条第4号)。どこからが「募集をしてもらう」ことにあたるか迷うときは、事前に都道府県労働局に相談してください。

なお、有料職業紹介事業の許可を持つ紹介会社に人を紹介してもらうのは、職業紹介として行われるもので、委託募集とは別の仕組みです。

出典:職業安定法 第36条・第64条第7号・第65条第4号/厚生労働省「募集・求人業務取扱要領」(令和7年6月)Ⅲの1・2、Ⅵの4の(3) 職業安定法を見る 要領を見る

税金:職員への報奨金は給与として源泉徴収する

所得税法は、給与所得を「俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与」に係る所得と定めています(第28条)。国税庁のタックスアンサーも、役員や使用人に支給する手当は原則として給与所得になるとしています。就業規則に手当として定めて払う紹介の報奨金は、ほかの給与と同じく、払うときに所得税を源泉徴収します(所得税法 第183条)。

源泉徴収の計算では、毎月の給与として計算するか、賞与として計算するかが分かれます。国税庁の通達は、賞与を「定期の給与とは別に支払われる給与等で、賞与、ボーナス、夏期手当、年末手当、期末手当等の名目で支給されるものその他これらに類するもの」とし、賞与の性質があるか明らかでない場合は、あらかじめ支給額や支給基準、支給期の定めがないものなどを賞与にあたるとしています。紹介の報奨金を賞与として計算するかどうかは、規程の決め方と払い方を示して、顧問の税理士か税務署に確かめてください。

出典:所得税法 第28条・第183条/国税庁 タックスアンサー No.2508「給与所得となるもの」・No.2523「賞与に対する源泉徴収」/所得税基本通達 183-1の2(賞与の意義) 所得税法を見る No.2508を見る No.2523を見る 通達を見る

社会保険:報酬・賞与に入るかは支給の中身で判断される

健康保険法と厚生年金保険法は、「報酬」を、名称を問わず労働者が労働の対償として受けるすべてのものとし、臨時に受けるものと、3か月を超える期間ごとに受けるものを除いています。3か月を超える期間ごとに受けるものは「賞与」です。日本年金機構は、年3回以下の支給のものを賞与として「被保険者賞与支払届」の対象とし、年4回以上支給されるものは標準報酬月額の対象としています。また、労働の対償とみなされない結婚祝金などは対象外です。

「臨時に受けるもの」について、日本年金機構の疑義照会回答(大入袋の扱いについての照会への回答)は、「被保険者が常態として受ける報酬以外のもので狭義に解するものとすること」(昭和23年の通知)とされているとし、臨時的かどうかは、支給事由の発生や原因が不確定なものとして極めて狭く解するもので、例年支給されていないか、支払われる時期が決まっていないかで判断するよう示しています。

紹介の報奨金は、紹介で採用が決まるかどうかが前もって分からないという点では支給の事由が不確定ともいえますが、規程で条件と金額を決めて繰り返し払う制度でもあります。紹介の報奨金そのものの扱いを示した日本年金機構や厚生労働省の公式の資料は、2026年11月時点で確認できた範囲では見当たりませんでした。規程を作ったら、事業所を管轄する年金事務所に、規程を見せて扱いを確かめておきましょう。賞与にあたる場合は、支給日から5日以内に「被保険者賞与支払届」を出します。

出典:健康保険法 第3条第5項・第6項/厚生年金保険法 第3条第1項第3号・第4号/日本年金機構「標準報酬月額の対象となる報酬とは何ですか。」「従業員に賞与を支給したときの手続き」「疑義照会回答(厚生年金保険 適用)」(被保険者資格取得届 5 報酬の範囲について) 健康保険法を見る 厚生年金保険法を見る 報酬の範囲を見る 賞与の手続きを見る 疑義照会回答を見る

制度を動かすときの注意点

紹介する職員にも、施設が出している労働条件で話してもらう

職員に紹介を頼む場合も、募集を行っているのは施設です。職業安定法は、労働者の募集を行う者に、応募する人へ業務の内容と賃金・労働時間などの労働条件を明示することを求めています(第5条の3)。また、虚偽の条件を示して募集を行うことや、それに従事することは罰則の対象です(第65条第9号)。

紹介してくれる職員には求人票や募集要項を渡して、その条件をもとに話してもらいましょう。応募してきた人には、施設から労働条件を書面などで明示します(明示の方法は法律で定められています)。紹介する職員の口頭の説明だけで済ませると、「聞いていた話と違う」という食い違いのもとになります。

出典:職業安定法 第5条の3・第65条第9号 職業安定法を見る

紹介された人の個人情報は、本人の了解を得てから受け取る

職業安定法は、募集を行う者が応募する人の個人情報を集めるとき、業務の目的に必要な範囲で、目的を明らかにして集めるよう定めています(第5条の5)。要領は、個人情報は本人から直接集める、本人の同意のもとで本人以外から集めるなど、適法で公正な手段によらなければならないとしています。

職員から知人の連絡先や経歴を受け取るときは、その人が応募を考えていて、施設に伝えることを了解しているかを確かめてからにしましょう。履歴書などの応募書類は、本人から出してもらいます。

選考の中身を、紹介した職員に話さない

募集を行う者とその従業者は、業務に関して知った個人情報をみだりに他人に知らせてはならないとされています(第51条第2項)。報奨金の支給のために採否を紹介した職員に伝える場合は、紹介の届出のときに応募する本人の了解を得ておきます。応募書類の内容や面接でのやりとり、不採用の理由までは伝えないようにしましょう。

出典:職業安定法 第5条の5・第51条/厚生労働省「募集・求人業務取扱要領」(令和7年6月)Ⅳの1の(8) 職業安定法を見る 要領を見る

紹介かどうかで、選考の基準を変えない

厚生労働省は、採用選考を応募者の適性・能力に基づいた基準で行うことを、公正な採用選考の基本としています。紹介で来た人も、ほかの応募者と同じ基準で選考します。

出典:厚生労働省「公正な採用選考の基本」 厚生労働省のページを見る

運用の工夫としては、紹介した職員を面接官に入れないなど、ほかの応募者との公平さを保てる形にしておくと安心です。

社員紹介制度のチェックポイント

  1. 報奨金を払う相手は、施設と雇用関係のある職員か(派遣スタッフ・元職員・利用者のご家族などは職員以外)
  2. 支給の条件・金額・支給日を、前もって就業規則や賃金規程に書いたか(10人以上の事業場は変更の届出も)
  3. その都度の判断で、現金や商品券をお礼として渡す運用になっていないか
  4. 在籍の条件を付けるなら、条件と、紹介した職員が先に辞めた場合の扱いを決めたか
  5. 職員以外にお礼を約束して応募者を探してもらっていないか(する場合は許可と報酬額の認可)
  6. 報奨金を給与として源泉徴収し、社会保険の扱いを年金事務所に確かめたか
  7. 紹介する職員に求人票の条件を渡し、紹介された人の個人情報は本人の了解を得てから受け取っているか

まとめ

職員の紹介は、介護施設で多く使われ、効果があったと答える事業所も多い採用の経路です。報奨金は、就業規則などに賃金として決めて払えば違法ではありませんが、職員以外にお礼を約束して応募する人を探してもらうと、許可が必要になると考えられます。ハローワークや求人サイト、紹介会社など、ほかの経路と組み合わせて使い分けることで、特定の経路に頼りすぎない採用につながります。ハローワークの採用効果はハローワークの介護求人に応募は来る?、紹介会社の手数料の考え方は介護職の人材紹介手数料はいくら?の記事でまとめています。判断に迷う場合は、都道府県労働局や労働基準監督署、年金事務所、税務署に確認してください。

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