介護施設の求人では「4週8休」「週休2日制」「年間休日110日」など、休日の書き方が施設ごとにばらばらです。応募する人は休日の多さで求人を比べることが多い一方で、書く側は「年間休日に有給休暇を足してよいのか」「夜勤明けの日は休みに数えてよいのか」で迷いやすい項目です。
この記事の結論
- 求人票の年間休日に年次有給休暇は含めません。有給休暇は本来働く日に取る休みで、休日とは別のものです。
- 「完全週休2日制」は毎週2日の休み。「週休2日制」は隔週・月1回などの形も含めて使われる言葉で、毎週2日休めるとは限りません。「4週8休」は4週間で8日の休みで、週ごとの日数は決まっていません。
- ハローワークの求人票で4週8休のシフト制なら、週休二日制は「その他」を選び、「4週8休 シフト制」のように書きます(厚生労働省の記入例はグループホームの介護福祉士の求人です)。
- 夜勤明けの日は法律上の休日になりません。4週8休でも、夜勤明けを休みに数えていると法律上の休日が足りないことがあります。また、1日8時間勤務なら、年間休日は105日以上が目安です。
以下では、法律で決まっている休日の最低ライン、休日の制度の呼び方の違い、ハローワークの求人票での書き方と介護施設の記入例、年間休日の数え方(有給休暇・夜勤明け・105日の目安)、介護・医療の年間休日の平均を、法令と厚生労働省・ハローワークの資料をもとに整理します。
法律で決まっている休日は「毎週1日」か「4週4日」
労働基準法では、使用者は労働者に毎週少なくとも1回の休日を与えなければなりません。例外として、4週間を通じて4日以上の休日を与える形も認められています。4週間で4日とする場合は、どこから数えた4週間なのか(起算日)を就業規則などで決めておく必要があります。
東京労働局の資料では、4週4日の休日はあくまで例外で、毎週1日の休日が確保されることが望ましいとされています。法律が決めているのはこの最低限の休日で、「週休2日制」「4週8休」「年間休日〇日」は、それぞれの施設が就業規則などで決める休日です。
休日は、求人票(募集の段階)で必ず示す労働条件の1つです。採用時に渡す労働条件通知書でも、書面で明示しなければならない事項に入っています。
出典:労働基準法 第35条/労働基準法施行規則 第12条の2第2項・第5条第1項/東京労働局「労働基準法 素朴な疑問」/職業安定法 第5条の3・職業安定法施行規則 第4条の2第3項/職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者…等が均等待遇、労働条件等の明示…等に関して適切に対処するための指針(平成11年労働省告示第141号)第三の一の(三)ロ 労働基準法を見る 労働基準法施行規則を見る 東京労働局の資料を見る 職業安定法を見る 職業安定法施行規則を見る 指針を見る
「完全週休2日制」「週休2日制」「4週8休」の違い
休日の制度を表す言葉は似ていますが、意味が違います。厚生労働省の就労条件総合調査では、「完全週休2日制」と、月3回・隔週・月2回・月1回の週休2日制などの「完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度」を分けて数えていて、両方を合わせたものを「何らかの週休2日制」としています。つまり「週休2日制」とだけ書くと、毎週2日休めるとは限りません。ハローワークの求人票の「週休二日制」の欄でも、「毎週」は完全週休二日制のとき、それ以外の形の週休二日制は「その他」を選びます。
| 書き方 | 意味 | ハローワーク での選び方 |
|---|---|---|
| 完全週休2日制 | 毎週2日休み | 毎週 |
| 週休2日制 | 隔週・月1回などで 週2日休み | その他 |
| 4週8休 | 4週間で8日休み | その他※ |
「週休2日制」と「4週8休」は、毎週2日休めるとは限りません。
※ 厚生労働省の記入例で、4週8休のシフト制は「その他」です。「毎週」は完全週休二日制のときに選ぶ欄なので、シフトでも毎週必ず2日の休みがあるなら「毎週」にあたります。
「4週8休」は法律の言葉ではなく、一般に4週間で8日の休日がある形を指します。週ごとに見ると、休みが1日の週や3日の週があってもかまいません。1年は52週と1日(うるう年は2日)なので、4週8休だけなら年間の休日は104日前後です。厚生労働省の記入例では、4週8休のシフト制で年間休日数を108日としています(4週8休を1年続けた104日より4日多い数です)。4週8休のほかに年末年始などの施設の休日があれば、その分を足した日数を書きます。
毎週2日休めるのでなければ、「週休2日制(月2回)」「4週8休(シフト制)」のように、中身まで書いておくと行き違いを防げます。職業安定法では、求人の情報について虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならないとされています。
出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」(結果の概況・e-Stat 原表 第2表の注・用語の説明「年間休日総数」)/厚生労働省・ハローワーク「求人申込書の書き方」(記入例)/厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「求人票(高卒)の見方」(「完全週休二日制を実施している場合は『毎週』、前記以外の形態で週休二日制を実施している場合は『その他』」)/職業安定法 第5条の4 就労条件総合調査を見る 用語の説明を見る 求人申込書の書き方を見る 求人票の見方を見る 職業安定法を見る
ハローワークの求人票での書き方
ハローワークの求人申込書(インターネットで入力する場合も同じ項目)には、休日について次の欄があります。
- 休日:休みの曜日(月〜日・祝)と「その他」から当てはまるものを選ぶ
- 週休二日制:「毎週」「その他」「なし」から選ぶ
- その他:休日や週休二日制で「その他」を選んだときに中身を書く欄(全角60文字以内)。「毎週」のときも補足があれば書く
- 6か月経過後の年次有給休暇日数:入社6か月後に付与される有給休暇の日数
- 年間休日数:フルタイムの求人だけ書く
ハローワークの「求人申込書の書き方」の記入例は、グループホームで働く介護福祉士の求人で、休日は「その他」、週休二日制は「その他」、その他の記載事項は「4週8休 シフト制」、6か月経過後の年次有給休暇日数は10日、年間休日数は108日となっています。有給休暇の日数と年間休日数は別の欄になっている点も確認しておきましょう。また、ハローワークでは、休日が毎週1日以上か4週間で4日以上になっていることを確認したうえで入力するよう案内しています。
介護施設の求人に当てはめると、次のような書き方になります(記入例をもとにした例です。日数や中身は自施設の決まりに置き換えてください)。
書き方の例1:特別養護老人ホーム(正職員・夜勤あり)
休日:その他
週休二日制:その他
その他:4週8休(シフト制)。夜勤明けの日は休日に含みません。ほかに年末年始3日
年間休日数:〇〇日(4週8休の休日と年末年始の休日を合計した日数)
書き方の例2:デイサービス(正職員・日曜が休み)
休日:日・その他
週休二日制:毎週
その他:日曜のほか、週1日をシフトで指定。年末年始(12月30日〜1月3日)
年間休日数:〇〇日
パートの求人では年間休日数の欄は使わず、週所定労働日数の欄(「週〇日〜〇日」など)で働く日数を示します。求人サイトや自施設の採用ページで募集する場合も、休日の書き方の考え方は同じです。
出典:厚生労働省・ハローワーク「求人申込書の書き方」(記入例)/厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「求人情報の入力のしかた」(休日等・年間休日数の欄)/ハローワークインターネットサービス「求人情報の入力方法について」 求人申込書の書き方を見る 求人情報の入力のしかたを見る 入力方法のページを見る
年間休日の数え方
年次有給休暇は含めない
厚生労働省の就労条件総合調査では、「年間休日総数」を、就業規則などで労働義務がないとされた週休日(土日など会社が決めた休日)と、それ以外の休日(祝日・年末年始・夏季休暇・会社記念日などで会社の休日とされている日)の合計としていて、年次有給休暇の分は含まないと定めています。
年次有給休暇は、本来は働く日(労働日)に、賃金を受け取りながら休める制度です。厚生労働省のQ&Aでも、年次有給休暇は労働義務を免除するものなので、労働義務のない日(所定休日など)に取ることはできないとされています。休日と有給休暇はそもそも別のもので、ハローワークの求人票でも別の欄です。
有給休暇の日数を足した数を「年間休日」として書くと、実際より休みが多く見え、求職者に誤解を与えるおそれがあります。夏季休暇を有給休暇の計画的付与(労使協定で取る日を前もって決める制度)で取る場合も、その日は有給休暇なので、上の定義に当てはめると年間休日には入りません。
出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」用語の説明(「年間休日総数」)/厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A(年次有給休暇)/大阪労働局「年次有給休暇(年休・有休)について」/職業安定法 第5条の4 用語の説明を見る Q&Aを見る 大阪労働局のページを見る 職業安定法を見る
夜勤明けの日は休日に数えない
法律上の休日は、単に連続24時間休むことではなく、原則として暦日(午前0時から午後12時まで)で休むことを指します。そのため、朝まで夜勤をした日(いわゆる夜勤明け)は、そのあと休んでいても法定休日にはなりません。
厚生労働省の介護事業者向けの資料には、4週間(28日)のうち20日出勤で、どちらも週40時間の範囲に収まっている2人のシフト例が載っています。1人は法定休日が4週に4日以上あり問題ありませんが、もう1人は休みの日の多くが夜勤明けで、法定休日と評価できる日が4週に2日しかなく、改善が必要とされています。勤務の日数だけを見れば「4週8休」に見えるシフトでも、夜勤明けを休みに数えていると、法律上の休日が足りないことがあるということです。
勤務表を作るときは、夜勤明けとは別に休日を確保します。求人票でも、夜勤明けの日を休日の数に入れていないことを書いておくと、応募する人が実際の休み方をイメージしやすくなります。労働条件通知書での休日の書き方は、パートの労働条件通知書の書き方と記入例の記事でまとめています。
出典:厚生労働省「介護労働者の労働条件の確保・改善のポイント」(Point 2 夜間勤務者等の法定休日を確保しましょう) 厚生労働省の資料を見る
1日8時間勤務なら、年間105日以上が目安
労働時間は、原則として1日8時間・1週間40時間までです。東京労働局の資料では、1日8時間勤務の会社の年間休日数を次のように計算し、1日8時間勤務なら年間休日数105日以上が妥当としています。
1日8時間勤務の会社の年間休日数(東京労働局の計算)
40時間 × 52週 = 2,080時間(1年間の労働時間の上限)
2,080時間 ÷ 8時間 = 260日(1年間に働ける日数)
365日 - 260日 = 105日(年間休日数)
4週8休を、4週間ごとに区切る1か月単位の変形労働時間制で運用する場合は、就業規則などで定めた4週間(28日)の労働時間が160時間(40時間×28日÷7日)以内に収まっていれば、法律の範囲内です(各日の労働時間は、勤務表などで前もって決めておく必要があります)。年間休日が105日に届かないことだけで、すぐに違反になるわけではありません。
1日の所定労働時間が短ければ、必要な休日は少なくなります。厚生労働省のモデル就業規則では、1年単位の変形労働時間制で週40時間に収めるために必要な年間休日を、所定労働時間ごとに示しています。
| 1日の所定労働時間 | 必要な年間休日 (1年単位の変形労働 時間制・365日の年) |
|---|---|
| 8時間 | 105日 |
| 7時間45分 | 96日 |
| 7時間30分 | 87日 |
この表は、1年単位の変形労働時間制で1年を平均して週40時間に収める場合の日数です。変形労働時間制を使わない場合は1週間ごとに40時間以内に収める必要があるため、たとえば1日7時間30分なら週5日(37時間30分)までが基本で、必要な年間休日はこの表より多くなります。
なお、常時10人未満の労働者が働く保健衛生業の事業場(介護施設などの社会福祉施設を含む)は、週44時間までの特例の対象です。この特例が使える事業場では、上の計算どおりにはなりません。ただし、1年単位の変形労働時間制を使う事業場には、この特例は適用されません(週40時間で計算します)。自施設がどれにあたるかは、就業規則や労働基準監督署で確認してください。
出典:労働基準法 第32条・第32条の2/東京労働局「労働基準法 素朴な疑問」(年105日以上の休日を確保しよう)/厚生労働省「モデル就業規則」(令和7年12月版)1年単位の変形労働時間制の規定例の解説/労働基準法施行規則 第25条の2(第4項:1年単位の変形労働時間制などには適用しない)/彦根労働基準監督署「介護労働者の労働条件の確保・改善のポイント」(滋賀労働局。「保健衛生業(社会福祉施設含む)」) 労働基準法を見る 東京労働局の資料を見る モデル就業規則を見る 労働基準法施行規則を見る 彦根労働基準監督署の資料を見る
介護・医療の年間休日はどれくらい?
厚生労働省の「令和7年就労条件総合調査」(常用労働者30人以上の民営企業が対象で、社会福祉法人・医療法人なども含む。2024年1年間の年間休日)では、「医療,福祉」の企業の年間休日は次のとおりです。介護だけでなく、病院なども含んだ数字です。
| 項目 | 医療,福祉 | 全体 |
|---|---|---|
| 1企業平均の年間休日 | 114.0日 | 112.4日 |
| 労働者1人平均の年間休日 | 115.1日 | 116.6日 |
| 完全週休2日制の企業 | 78.1% | 65.5% |
自施設の年間休日を決めるときや、求人票の書き方を見直すときの目安になります。
出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」e-Stat 原表(「全体」は調査産業計) 第2表(主な週休制の形態別企業割合)・第6表(1企業平均年間休日総数)・第7表(労働者1人平均年間休日総数) 第2表を見る 第6表を見る 第7表を見る
求人票の休日のチェックポイント
- 年間休日に年次有給休暇の日数を足していないか
- 毎週2日休めないのに「週休2日」とだけ書いていないか(「月〇回」「4週8休」など中身まで書く)
- ハローワークの求人票で、毎週2日の休みが決まっていない4週8休のシフト制を「毎週」にしていないか
- 夜勤明けの日を休日に数えていないか。夜勤明けとは別に、法律上の休日(毎週1日か4週4日)が取れているか
- 1日の所定労働時間と休日の組み合わせで、週40時間(特例の事業場は44時間)に収まっているか(変形労働時間制なら、その期間の平均で)
- 求人票・労働条件通知書・就業規則で、休日の数や決め方が食い違っていないか
まとめ
求人票の休日は、応募する人が求人を比べるときに必ず見る項目です。年間休日には有給休暇を含めず、夜勤明けも休日に数えずに、会社の休日だけを合計して書きましょう。「週休2日制」「4週8休」は意味が違うので、毎週2日休めるのでなければ中身まで書いておくと、入職後の「聞いていた休みと違う」を防げます。求人票全体の書き方は介護の求人票の書き方、ハローワークへの求人の出し方はハローワークに求人を出す方法の記事でまとめています。判断に迷う場合は、管轄のハローワークや労働基準監督署に確認してください。